「ありがとう」
この言葉を文字で読むことと、
誰かの声で聞くことは同じではありません。
優しい声。
震える声。
笑いながら発する声。
小さくつぶやく声。
言葉の意味は同じでも、
受け取るものは大きく変わります。
なぜでしょうか。
声には、意味以外の情報があるからです。
高さ。
強さ。
速さ。
呼吸。
間。
リズム。
そして沈黙。
もしかすると言葉とは、
最初から独立して存在していたものではなく、
人間が感じていた「響き」を、
他者へ伝えるために生まれたものなのかもしれません。
嬉しい。
怖い。
危ない。
好き。
ありがとう。
その前にはきっと、
声や表情や身体の動きがあったはずです。
つまり、
響き → 感覚 → 言葉
という流れです。
そう考えると、
言葉とは響きを切り離したものではありません。
むしろ、
「響きを共有するための翻訳装置」
なのかもしれません。
SEED
言葉だけを理解するのではなく、
その奥にある「響き」を聞く。
それだけで、
人と人の関係は少し変わるのかもしれない。