人間は長い間、
記憶を身体の中に持っていました。
物語を覚え、
歌を覚え、
知識を語り継いできました。
そこに「文字」が現れます。
文字によって人間は、
自分の記憶を身体の外へ置くことができるようになりました。
自分がいなくなった後にも、
言葉を残せる。
遠く離れた人にも、
考えを届けられる。
何百年前の人間の思考さえ、
未来へ渡せる。
これは考えてみれば、
とても不思議な技術です。
人間の記憶や思考の一部を、
外部へ保存する装置。
その意味では文字は、
「人間の知性を拡張した最初期の人工的な知能装置」
と見ることもできます。
そして文字が増え、
本が生まれ、
図書館が生まれ、
インターネットが生まれました。
その膨大な文字を学習することで、
現在のAIが生まれています。
だから、
音 → 言葉 → 文字 → AI
という流れは、
突然生まれたものではありません。
AIは、人類が長い時間をかけて外部化してきた知性の延長線上にいる。
そう考えることもできます。
SEED
もし文字が人類最初の「外部知性」だったとしたら、
AIはその巨大な続きを生きているのかもしれない。